20代は、腱鞘炎に始まり、肋間神経痛に悩まされ、ひと月の半分は痛みで歩くのもままらなかった日々が続いた。
回数券を買って、カイロプラクティックに通うが一向に治らず、この先どうなるのか・・・・ととても不安だった。
あるとき、お弟子さんの紹介で、ヨガに行った。体はガチガチ、あるポーズをしたときに背骨が「バリバリー」とすごい音がした。
もしかしたら、自分でできるカイロプラクティックになるかもーと、瞬間思った。
それから、私はヨガにのめりこんだ。お蔭で、痛みも半年間でなかったし、いろいろの不調もだいぶ改善された。
しかし、呼吸法、瞑想まで追求するうちに何かモヤモヤしたものがあった。(私は、もしオウムに関わっていたらーと、いまだにゾッとする。他人事には思えない)
ちょうどその頃、NHKで一人の人を5日間続けて話を聞く「訪問インタビュー」という番組があり、野口先生が出演していた。
その話を聞いただけで、私のヨガが変わった。早速、先生の著書「原初生命体としての人間」を読み、先生宅に電話をした。(当時は、著者の住所、電話番号が載っていた)
先生の講義は、最初の一時間は、板書での話、そして残りの一時間が動きになる。
体操だが、動きなのだ。ヨガでは、ポーズ優先で動きなんて考えた事はなかったー
それから、先生が亡くなるまでの15年間を通った。野口体操を説明するのは身体哲学が伴うので難しいー
でも、私はそこで筆舌に尽くせないほどの事を学んだ。
今月、羽鳥操著の「野口体操入門」が出版された。今回は、第一章の「野口体操前史」と「野口体操と三島由紀夫」が読み応えある。
野口体操がどうしてこういう形になったのか、先生のさまざまな苦悩や思いがとても伝わってきた。